嫌客商売(2)

まだ引っ張っている。
1人月かからん程度の見積もりだったので仕様書を俺の判断で出したことに端を発しモメたことを踏まえ、徹底的な上長のチェックを受けて提出した再見積もり資料にもかかわらず、罵声と共に一蹴。
水も漏らさぬように緻密に書くとくどくて理解できないと言われ、子供にもわかるようにシンプルに書くと抽象的すぎて実態がわからないと言われる。
どうしろっちゅーねん。
最初にモメた時も痛烈に思ったが、日本語読解能力がかなり不自由なように見受けられる。
シンプル版について意味がわからないという質問に対して、「〜と(いう記述であると)ご理解ください」と応えると、「そんな仕様はとっくに理解している!」と激怒される。
...別にあんたのシステム理解度が低いって言ってるんじゃないんだよ。日本語知らないのかな?
つうか、この資料って見積もりの根拠以上の意味はどこにもないのだが、あんたは一体何を知りたいの?
もう今のシステムいじって丸一年たつが、前任者が入院してしまったアオリでフロントに立つようになってまだ2ヶ月、折り悪くこの間にトラブルが集中してしまったのがいけなかった。
スタート直後でいきなり顧客信頼度はゼロ。ぶっちゃけ、俺の言うことにハナから聞く耳なぞ持ってないんじゃないかと思わざるを得ない。


これまで孫請け曾孫請けの仕事を何年か続けてきて、派遣先の上司や中間会社がうぜえなぁと思うことは多々あっても、最終的に顧客の満足につながればと、それなりにやり甲斐を感じることもできた(そうやって得た顧客の信頼が、派遣が終了するとすべてご破算になるのがどうしようもなく空しいと思いつつも)。
肝心のクライアントがこれじゃなぁ。請け負い側の手応えも、ゼロ。


正直、あとどれだけこいつらのために仕事するモチベーションを維持できるか、ほとんど風前の灯。