ブラックジャックマガジン

様々な(主に秋田書店系の)作家がそれぞれのブラックジャックを競作するというヤングチャンピオンの企画をまとめた雑誌スタイルの本。
かなり悪い紙質で590pという大型本のため、見た目の厚さだけなら往年のアフタヌーンに匹敵するほどかさばってちょっとびびる。
もっとも女性誌にはありがちな形態か。
しかし内容は、前半の「ブラックジャックALIVE」では、原作にもあったシチュエーションやモチーフを用いつつきちんとオリジナルのストーリーになっているのでなかなか楽しめるものの、後半の「ブラックジャックM」はまるっきりただのリメイク(しかもことごとく原作よりリズムが悪い)でほぼ読む価値なし。
これで690円は詐欺だろう。
エロイカより愛をこめて」のキャラクターとBJを競演させた青池保子、相変わらず濃い絵柄の田口雅之、例によってひとり右翼美学に則ってかっ飛ばす立原あゆみ、唯一Dr.キリコをからめた葉月京あたり以外は総じてハズレ。
たがみよしひさが参加しているというのでちょっと期待して買ったのだが、意外にも超オーソドックスに仕立て上げて来て、悪くはないものの特に「たがみ節」を楽しめたわけではなかった。


どうでもいいけど永井豪はこの手の企画に出しゃばるのをそろそろ遠慮してもらいたい。と思った。