新手のオレオレ詐欺

日中の惰眠を破り電話が鳴る。
俺宛。
というか最初から俺の名前を間違えて呼んでいる。
ちなみに俺の本名は難読とまでは言わないが、読み方を知らないと読めない名前なのでよく間違えられるものの、時折知り合いを装ってかかってくるセールスの電話を判別するために便利だったりもしている。
ともあれ、相手は中学校の同級生と名乗る記憶にない名前の謎の男。
自慢じゃないが、オタクの共通資質として俺は昔のことはよく覚えているほうだ。
あきらかに騙りだとわかっているのだが、一応用件を聞いてみれば中学の卒業アルバムを借りたいという。
名前も覚えてないような奴にいきなり頼むことじゃねえだろ。
たぶん好意的に話を進めればどこそこまで送ってくれ、とかいうことになったのだろうが、めんどくせえのでジャギばりに
「俺の名を言ってみろ!」
と問いつめて(一部うそ)電話を切る。


今月から個人情報保護法が施行されて、名簿業者の中の人も必死だな。
いやこれから名簿情報の類いが高騰すると睨んだ奴らのシノギなのかも知れんが。
皆様はくれぐれもご注意あれ。